明けましておめでとうございます。本年も、どうぞReb Beach Japanをよろしくお願いいたします。

さて、2023年を振り返ると、最大の出来事は、なんといってもWINGERの6年ぶりの来日! バンドのデビュー35周年であり、新作《Seven》をリリースしたばかりの実に9年ぶりの単独公演です。思えば新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって2020年のWhitesnake来日公演は中止に、その年11月にレブのソロアルバム《A View From The Inside》が発売されるも、あまり大きく扱われなかったような…とモヤモヤし続けて約3年、管理人としましてはなんとか多くのレブのファンに、そしてWINGERファンに伝われ…ッ! と考えていて、今回は大阪公演があるのだからダメもとでX(旧Twitter)であのサンテレビさんに呼びかけてみたのです。

サンテレビは兵庫県神戸市に拠点を置くローカルテレビ局で、阪神タイガースのファンからは絶大な信頼と支持を得ていることで有名。中でもプレーボールから試合終了までを完全中継する名物番組「サンテレビボックス席」では、勝った試合のエンディングに流れるハイライトシーンに長年レブの“Black Magic”を使っているのです。ぜひこのチャンスに! と思っていただけで、まさか阪神タイガースが16年ぶりの優勝を成し遂げることなどまったく知る由もありませんでした。

すぐにレスが来て、この日から少しずつ準備を始めた管理人とサンテレビのスタッフさん。インタビューの目的や方向性を説明してもらって、それをレブに連絡・相談、私からはレブのソロアルバムに“Black Magic”が新しく収録されていることや、WINGER、WHITESNAKEでの活躍などを伝えるなどやりとりをして(管理人はサンテレビさんのメールを英訳、レブのメールを和訳という作業も)、大阪公演の時にインタビュー収録を行うことをレブ本人も了承してくれました。 あっという間に来日公演が近づいて、また3者で慌ただしくやりとりが始まり、インタビューは大阪公演当日のライブ前に収録することに。レブからは「当日は“Black Magic”を演奏するので、それともう1曲だけライブで撮影してもOK」と連絡があり、うおおお、大阪で! と歓喜するも口外無用のため、悶えながら秘密を守り抜きました…。

9月4日、信じられない暑さのなかでWINGER日本公演2023がスタート。残念ながらライブ撮影はプロモーターの許可が下りずに断念となりましたが、インタビューはサンテレビ大阪支局で収録することに決まりました(前日に)。「通訳もお願いします」と言われてしまって管理人は大焦り(前日に)。暑さと緊張で滝のように汗をかきつつ、レブのアテンドと錆び付いた英語で通訳を行いました。インタビューを担当されたのはスポーツ局の方で、ソロアルバムはもちろんのこと、WINGERの新譜も聞き込んでのインタビューで、《サンテレビボックス席》に長年“Black Magic”が使われていることや、ギタープレイや作曲についてなど、突っ込んだ質問をされていました(通訳はしどろもどろ💦)。ふだんからスポーツ選手のインタビューを多くこなされているからでしょう、相手へのリスペクトに満ちた、いい質問の数々でした。

これまで「サンテレビボックス席」で使われてきた“Black Magic”は、プロレス入場曲集(1990年代に全日本プロレスで活躍した、本名デル・ウィルクス扮する覆面レスラー、ザ・パトリオット選手の入場テーマ曲でした)のものが使われており、これは《THE GUITARS THAT RULE THE WORLD》(1992年)に収録されたオリジナルをもとに(おそらく)日本でレコーディングし直されたもの。レブは事前にこのバージョンを聞いて、「誰がギターを弾いたのかわからないけれど、すごくよく弾けている」と感心していました。

ところで、管理人は生まれも育ちも関西なのに今年の阪神が首位にあるとはつゆ知らず、大阪支局に到着して初めて18年ぶりに優勝しそうなのだと知ってびっくり。あのカーネルサンダースの呪いからもう18年が……!! これは大変なことになりそうだぜ…と急にワクワクしていました。インタビューが一通り終わった後、リーグ優勝に備えて「アレ、おめでとう!」のメッセージを収録することに。大事な一言を日本語で述べるので、レブは私に言葉を確認して何度か練習し、3回目でOKテイク。サンテレビのマスコット「おっ!サン」のクッションなどグッズをお土産にいただき、帰りのタクシーに乗ったところで「あ~、髪が乾ききらないままで撮っちゃった。ギトギトに見えそうで嫌だなあ」と言うレブ。もうちょっと早く言ってくれれば……。

この後は皆さんもご存じの通り、WINGERによる世界初の“Black Magic”ライブ演奏で大阪公演は熱狂に包まれ、残る東京二公演も大盛況のうちに日本ツアーは終わりました。そして阪神タイガースは、9月14日にセントラル・リーグ優勝! 特番ではレブのインタビューが流れ、多くのロック・ファンが驚き阪神ファンを戸惑わせたものの、「“Black Magic”を作曲・演奏しているのはこの人、レブ・ビーチです」と知ってもらうことができました。何より、この日から新しい“Black Magic”が使われるようになったのです!

その結果、《A View From The Inside》には注文が殺到して、一時品切れ状態に。販売元のMarquee Inc.は追加生産中であることをXにポストしていました。

阪神タイガースは快進撃を続け、クライマックスシリーズを制して、11月5日には38年ぶりの日本一を決めました。

“Black Magic”は20年以上にわたって「勝利のエンディングテーマ」として親しまれてきましたが、レブの来日と阪神の優勝が重なるというのはどう考えても奇跡的な出来事です。この瞬間を逃さずに繋がることのできたサンテレビさんとレブ、阪神ファンの皆さん、もちろんレブ・ファン、ロック・ファンの皆さんたちと奇跡を分かち合えたことは管理人にとって最高に幸せな体験でした。

大変に過密なスケジュール&ど緊張していたため、写真やら動画を撮る余裕がまったくなく、何にもございませんです💦